中世ヨーロッパでは、髪を切ることは身体を切ることと同じであると考えていたため、外科手術と散髪は同じ場所で行われていました。当時の外科医は、病気の治療手段として
体内から血液の一部を抜き取る「瀉血(しゃけつ)」という治療をしばしば行っていたようです。
番組では「瀉血」を行っていた様子を表している絵を見つけ出します。
その絵は中世ヨーロッパの絵で腕から血を採られている患者が長いポールを杖のように立てて握っています。
その握られたポールが後に「サインポール」と呼ばれる事になります。
採血は受け皿に溜るようになっていましたが、どうしても腕を伝わってポールのほうへ血が流れてしまいます。それを目立たなくするためにポールは赤く塗られました。
そしてそのポールは、当時貴重だった包帯を洗って干す棒としても使われました。
そのポールへ包帯を巻き付けて外に45度の角度で干したのが外科医の象徴、つまりサインポールの始まりなのです。ちなみにポールの先は丸くなっており、その部分は後にサインポールのグローブ(丸いガラス製のカバー)へと変化していきます。
やがて理容店は外科医と分離します。その後お店の看板として使われることになったサインポールに青が加わったとされています。
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